HAZOP & プラント安全促進会 HAZOP and Plant Safety Promotion

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HAZOP Q&A

Question

安全性(危険性)を洗い出すことがHAZOPと理解しながら、各班での実習時に、アクションの欄に、どんな制御手段を設置するなど記載していた。解析例と比較すると、「~を確認する」などに留まっており、○○を設置するというような記述は無い。どんな手段を選択するかは次の作業であることから、この欄にそのような記述はふさわしくないという理解でよろしいでしょうか。

Answer

アクションのタイプには次のようなものがあります。
① 設計内容が不明確(情報・データ不足)で別途調査確認が必要
② 考慮されている安全対策が不十分または不適切で変更が必要
③ 考えられる影響・結果に対し安全対策が考慮されてなく、適切な対応策の検討が必要
④ 標準仕様あるいは別のシステムで考慮されている対策と異なり、整合性を図る必要がある

ご質問は、主に上記の②、③、④の場合のアクション内容の指定の仕方についてだと思いますが、HAZOPの議論の中で、ある程度対応策が分かっていれば「○○の設置を検討すること」等、具体的な内容を記載した方が、指定された担当者に分かり易く効率的に検討できると思います。具体的な対応策が思い浮かばなかった場合でも、「○○の防止策を検討のこと」、「○○が問題ないことを確認のこと」等、アクションの目的や意図が明確に分かるように記載することが重要です。ただしHAZOPは対策案を検討する会議ではありませんので、あまり時間をかけすぎないようリーダーは適切にリードする必要があります。

なお、断定的に特定の制御手段を指定せずに、「xxxの設置を検討すること」という表現にする理由は、対策の検討に時間をかけすぎないというHAZOPの制約の中で、以下についての判断が難しいためです。
① 他にも良い手段があるかも知れない
② その手段は本当に必要なのか
③ 必要な場合でも、対策の採用にはコスト有効度の評価が必要
特に②については、リスク評価以前の問題として、特定された最終結果事象が実際に起こり得るのかどうかを確認する必要があります。したがって、明らかに最終結果事象が実際に起こり得ると判断できるケースを除き、アクション項目は、次のように2段階で記述することを心がけてください。
① 特定された最終結果事象は実際に(物理的に)起こり得るかどうか確認する(計算、シミュレーション等により定量的に)
② 確認の結果、実際に起こり得る場合、xxxの設置を検討すること(リスク評価、コスト、有効度、他の代替手段、実施時期等を考慮して検討)

 

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