HAZOP & プラント安全促進会 HAZOP and Plant Safety Promotion

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HAZOP Q&A

Question

「既存安全対策の失敗確率」の表に、チェッキ弁が特出しで挙がっているのに違和感があるのですが。例えば安全弁・リリーフ弁などはここには挙げられないのでしょうか?

Answer

上記しましたように、「既存安全対策の失敗確率」の表は、最終災害事象の発生を防止する対策を評価するための失敗確率を示しています。一方、一般的な化学プラントの安全設計において、安全弁・リリーフ弁は作動要求時に故障しない最終的な機器防護対策(失敗確率=0)として考えられています(実際には、作動要求数千回に1回くらいは故障すると考えられますが)。

これに対して、チェッキ弁の逆止防止機能については安全弁ほどの信頼性はなく、最終的な機器防護対策とは見なされていません。そこで、たとえば一定レベルの高差圧ポンプについては、ポンプの故障停止を考慮してチェッキ弁とは別に流量低低インターロックを設置する場合があります。

以上のことを考慮して、安全弁・リリーフ弁は、チェッキ弁やトリップシステムのように最終災害事象の発生頻度を低減する予防対策として評価するのではなく、最終災害事象の影響・結果を緩和する対策として評価することにしています。すなわち、適切な吹き出し容量の安全弁・リリーフ弁が設置されている場合は、過圧によるプロセス機器の破裂・損傷は起こらず運転停止(要再起動)に止まる、すなわち重大さのランクはS=4からS=3に下がる、と評価します。

リスク評価における安全弁の取り扱いについては、お渡ししましたテキスト-5aリスク評価でも触れていますのでご確認ください。

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