HAZOP Q&A
「2. メンテナンス用のユーティリティ・ライン(二重仕切弁、仕切板挿入)の誤操作」
この場合にHAZOPで考慮しない理由をご教授いただきたいです。また、このような場合はどのような手法で検討を行うのでしょうか?
研究目的ではなく、企業で実務としてHAZOPスタディを行う場合は、その分析結果の充実、完璧さもさることながら、なにより作業効率(消費時間の短縮)が求められるケースがしばしばあります。この要求に応えるため、プラントに多数存在する手動弁の誤操作については、プラントの運転中に開閉操作が考えられる手動弁に限定することを提唱したものです(研修テキスト-3b、3項・参照)
安全性評価では、スタディの前提としてプラントの運転状態を規定する必要がありますが、通常行われるHAZOPでは、プラントは正常かつ定常状態にあると想定します。メンテナンス用のユーティリティ・ライン(二重仕切弁、仕切板挿入)は、正常状態にあるプラントの運転中には使用しませんので、その誤操作(この場合は仕切弁の閉め忘れ、不十分な閉止など)も想定しません。
このような弁の誤操作は、それが使用される状態、すなわちメンテナンス作業を想定した安全性評価で取り扱います。スタートアップ操作、シャットダウン操作も同様です。適用する手法としては、マニュアル作業を対象としたHAZOP(研修テキスト-4)、誤操作解析/作業安全解析(研修テキスト-1a)が考えられます。